打線の組み方講座
打順・守備位置の役割と、必要とされる能力について



打順 (DHありの場合)
1番打者 塁に出ること
進塁すること
当たり前だが「一番打席が回ってくる打順」なので、
一つでも多く出塁して、一つでも多く生還できることが求められる。
ミートの高さはもちろん、盗塁・走塁能力の高さもあると◎。
なお長打力(≒走者を還す能力)は、高水準は要求されない。
2番打者 塁に出ること
進塁すること
進塁させること
一昔前までは「バントさえできればいい」という風潮があったが、
どんなに1番打者が優秀でも出塁率は半分以下である上に、
より多くの得点を挙げるためには自らも出塁することが求められる。
近年では右方向に強い打球が打てる打者をここに置き、
1番と2人で1点をとり、主軸に走者を残すという作戦も。
3番打者 万能型
身体能力オバケ
3・4番(5番を含むことも)は「クリーンアップ」とも呼ばれ、
打線の主軸であり基本的には走者を還す役割だが、その中で
3番は走者なしで迎える打席も多い打順でもあるため、
「二塁打が多く得点圏出塁・走者生還の両立ができるタイプ」や
「出塁率が高く、高確率で4番に走者ありで回せるタイプ」が多い。
走者を還す役割としてはもちろん、後続の打者が強いため、
走力を両立できるとより多くの得点が期待できるようになる。
4番打者 長打を打つこと
チームの中心選手
「最も多くのチャンスが回ってくる打順」であるため、
「最もチャンスで期待できる最強打者」を置くことが多い。
必然的にチームで最も得点シーンを演出しやすく、その打線、
ひいてはチームの象徴にもなりうる存在である。
5番打者 走者を還すこと
長打を打つこと
「最強打者の直後の打順」であり、敬遠や凡退してもいいように
4番打者に準じた打撃能力(特に長打力)が求められる。
また近年では、単に長打力を重視するのではなく
相手投手との駆け引き材料として、4番打者とは異なるタイプ
(ex.打席の左右、待球型・反応型etc.)の打者を置くケースも多い。
6番打者 走者を還すこと
もう1点をもぎ取ること
下位打線ではあるが、直前に主軸があるため必然的に
走者ありでまわってくる機会が多く、チャンスに強い打者を
ここにおけるようになると、さらに点を重ねられるようになる。
後続打者の期待値は下がるため、走力はある程度無視できる。
7番打者 走者を残さないこと
HRが期待できること
後述する8・9番は打撃面で劣る選手が入りやすく、ここで
走者を残してもあまり得点は期待できないということもあり、
HRが期待できる打者をここに置けると得点効率が上がる。
(下位打線なので、打撃を捨てて守備型を置く作戦もある)
8番打者 一芸もち・育成枠 主軸となる3・4番から一番遠いということもあり、最も楽な打順。
基本的には打撃面で期待されているわけではなく、
むしろ守備力重視や若手育成などを目的に使われやすい。
直後を打つ9番の打撃にも期待できるわけではないため、
どちらかといえばパワー型の選手を置くことが多い。
9番に代打を送ることを想定し、バントが巧い打者を置けると◎。
9番打者 足が速いこと 主軸から遠いのは8番と同じだが、直後が上位打線であるため、
運よく出塁できた際に走力でプレッシャーをかけたい打順。
将来の1番打者候補や守備特化型選手が起用されやすい。
(打席が最も少ない打順でもあり、DHなしでは主に投手が入る)



守備位置
先発投手 沢山投げられること 沢山のイニングを投げることが第一に要求されるため、
スタミナはもちろん、球数を抑えるためコントロールも重要になる。
その上で変化球や球速などを両立できると、エース格になる。
救援投手 球威で圧倒できること 目の前の打者を力でねじ伏せる投球が要求されるため、
まずは球速・変化球の威力の高さが最優先事項。
ここにコントロールまで両立できると、手が付けられなくなる。
捕手 足以外の全ての要素 全野手で最も多くボールに触れるポジション。
荒れ球投手でも安心して投げられる捕球能力
盗塁阻止の抑止力になり捕手の見せ場でもある送球能力
バントなどの小フライにも即反応できる守備能力
多少打撃に目を瞑ってでも、これらを両立できないと務まらない。
一塁手 確実に捕球できること
身長が高いこと
打球を追うことより専ら一塁ベースカバーが最優先の仕事であり、
数多くの送球をとることになるため捕球が大事になる。
一塁手がうまいと、他の内野手もより攻めた守備をしやすくなる。
また機会こそ少ないが、送球先が身体の右側に多くあるため、
内野手でありながら左投げが有利になるのも特徴。
二塁手 反応が早いこと
足が速いこと
最も多く打球が飛んでくる上に、ゲッツーなどの連携も必要。
前述のとおり隣の一塁手は「打球を追わないのがセオリー」なので、
より早く反応しより多くのゴロを処理できることが求められる。
二遊間の出来で、軟投型の投手の成績は大きく変わってくる。
三塁手 肩が強いこと
反応が早いこと
右打者が思い切り引っ張った強い打球が飛んでくるので、
「ホットコーナー」とも呼ばれることもあるポジション。
一塁手と異なり送球を捕球することがほぼ無く、守備機会は少なめ。
最悪打球をこぼしたとしても、肩さえ強ければカバーできる。
遊撃手 万能型
センスが高いこと
二塁手に次いで多く打球が飛んでくるポジション。
内野守備の中心であり、司令塔的な役割を担うことが多い。
内野手の中で最も一塁が遠いポジションであり、
より正確な送球ができることが求められる。
左翼手 (優先度は低い)
足か肩のどちらか
草野球などと違いプロ野球では左の好打者の割合が高くなり、
外野の中でも特に打球が飛んでこないポジション。
当然守備力は重要視されず打撃型選手を置くことが多いが、
しばしば元中堅手・元右翼手が負担軽減で左翼を守ることもあり、
他球団比でずば抜けたアウトの数を稼ぐ球団もある。
中堅手 足が速いこと
身体能力が高いこと
外野守備に求められるのは、長打(大飛球)をアウトにする、
または長打になりそうなライナー・ゴロを単打に抑えること。
内野よりも打球の滞空時間が長くなるため、反応の速さよりも
シンプルに足が速ければ速いほど取れるアウトも多くなる。
左翼手・右翼手の両方カバーできる唯一のポジションであるため、
外野手の中では求められる守備能力は高めになる。
右翼手 肩が強いこと
走者・内野手の観察力
全ポジションで最も三塁ベースが遠いポジションであり、
打者走者・一塁走者が三塁へ進もうとすることの抑止力として、
右翼手にはまず第一に肩(送球)の強さが求められる。
(反面、遊撃手や三塁手ほどの正確性は要求されない)
地味ながら一塁ベースへの送球が逸れた時のバックアップもするため、
内野手に準じた守備への意識の高さが必要にもなる。
指名打者
(DH)
(守備には就かない) 一般的に打撃力が劣る投手の代わりに、打席に立つ選手。
守備には就かず攻撃だけ参加する選手なので、当たり前だが
守備能力は一切無視できる。また、身体的負担も小さくなるので、
ベテランの休養や若手のお試し起用などにも使われることが多い。



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